毎日使うキッチンは生活に欠かせない場所のため料理がしやすい照明にすることが大切です。しかしダイニングやリビングとも近く、必ず目に入ってしまう場所であるため、機能だけで選ぶのではなく「おしゃれな雰囲気にしたい」という方も多いのではないでしょうか。
本記事では、これからお家を建てる方、リフォームをする方はもちろん「キッチンの雰囲気を変えたい」という方のために、キッチン照明の選び方について解説します。ポイントを押さえてご自宅にぴったりなキッチン照明を見つけましょう。
キッチンの照明選びが重要な理由
照明は家にとって欠かせないものですが、その中でもキッチンは照明選びがとくに重要な場所です。どうしてキッチンの照明選びが重要なのか、その理由から詳しく説明していきます。
作業のしやすさが変わる
キッチンは包丁を使ったり火を使ったり、洗い物をしたりと、さまざまな作業をする場所です。照明の明るさが十分にないと手を切ったり、料理がしにくい、食器に汚れが残ったりということが起きてしまいます。
安全性が求められる作業を多く行う場所だからこそ、キッチンは十分な明るさが確保できる照明を選ぶことが大切です。いくらおしゃれな照明にしたとしても、作業がしにくくなってしまっては、キッチンとしての使い勝手が悪くなってしまいます。
見た目の印象が変わる
キッチンは使い勝手が良い照明を選ぶのが一番ですが、ダイニングやリビングから見えやすい場所にあり、生活していると必ずといっていいほど目に入ります。
どのようなスタイルのキッチンかにもよりますが、来客からも見えてしまうケースも少なくありません。せっかくダイニングやリビングをおしゃれにしていても、明るさだけを考えたキッチンではお家のテイストに合わなくなってしまうこともあるでしょう。
そのためキッチンの照明選びは明るさを確保したうえで、デザインにもこだわるのがおすすめです。雰囲気の良い照明を取り入れれば、センスの良い空間作りができます。毎日のお料理も楽しくできることでしょう。
キッチン照明はどれくらいの明るさが必要?
キッチン照明は作業しやすい十分な明るさと、お家のテイストに合わせたデザインを両立していることが重要です。キッチン照明を選ぶポイントについて知る前に、キッチンにどのくらいの明るさが必要なのかも押さえておきましょう。
照明の明るさはルーメン(lm)という単位で表すことができ、数値が大きければ大きいほど明るい照明です。一般的に空間に必要な明るさは1畳あたり約400ルーメンといわれています。例えば3畳のキッチンなら約1200ルーメンの明るさが必要です。
ただし照明をいくつか取り入れて、必要な場所だけ明るくしたいという方もいるでしょう。その場合は調理台やコンロ周り、シンク周りだけに明るい照明を取り入れ、それ以外の箇所に暗めな照明を取り入れるのもおすすめです。
従来の電球の場合、W数が大きい電球ほど明るいというイメージがあるかと思いますが、LED電球の場合、W数は消費電力を表しています。そのため明るさはW数に比例しません。
LED電球のW数ごとのルーメンの数値を把握しておきましょう。
電球タイプ | 明るさ(lm) |
---|---|
20W形 | 170〜 |
30W形 | 325〜 |
40W形 | 485〜 |
60W形 | 810〜 |
70W形 | 1160〜 |
100W形 | 1520〜 |
150W形 | 2400〜 |
200W形 | 3330〜 |
電球タイプ | 明るさ(lm) |
---|---|
25W形 | 230〜 |
40W形 | 440〜 |
50W形 | 600〜 |
60W形 | 760〜 |
75W形 | 1000〜 |
100W形 | 1430〜 |
キッチン照明の選び方
ここからはキッチン照明の選び方と選ぶ際に押さえておくべき重要なポイントをそれぞれ紹介していきます。ポイントを押さえたうえで、機能性もデザイン性も優れたお家にぴったりなキッチン照明を選びましょう。
1. 照明の種類で選ぶ
照明にはさまざまな種類がありますが、キッチンはリビングや寝室ほどの広さがありません。そのため選ぶ照明の種類は限られた空間を効率的に照らせる以下のような照明がおすすめです。
- ダウンライト
- ベースライト
- シーリングライト
- ペンダントライト
- スポットライト
それぞれの照明にどのような特徴があるのか見ていきましょう。
ダウンライト
ダウンライトは天井に埋め込む形の照明です。他の照明とは違って、天井から照明器具が突き出していないので、天井がスッキリするという特徴があります。それほど広さのないキッチンであっても、圧迫感のない空間を作れるでしょう。また照明に埃が溜まりにくいため、メンテナンスが非常に楽になります。
リビングや寝室、トイレなど、お家の中のさまざまな空間に使われている照明です。設置する場所や明るさによっては、一部だけを効率良く照らせますし、広々と全体を照らすこともできます。
ベースライト
ベースライトは細長い天井照明です。キッチンは細長いスペースになっていることが多いため、ベースライトはスペースにぴったりの照明です。1つの照明でキッチン全体を明るく照らせます。細長いため、横長だったとしても圧迫感が生まれにくいのも特徴です。食器棚などを設置した場合でも、照明が開き戸を邪魔してしまう心配がありません。
ベースライトといっても長さは照明器具によってさまざまです。キッチンのスペースに合わせてぴったりなものを選びましょう。
シーリングライト
天井に直付けするのがシーリングライトです。シーリングライトには直径が約120mm程度の小型のものもあります。キッチンのスペースがそれほど広くなく、一般的なシーリングライトでは圧迫感が出てしまう場合は、小型シーリングライトを選ぶのがおすすめです。商品によって厚さは異なりますが、40mm以下のものも登場しています。
小型シーリングライトなら圧迫感が生まれないだけでなく、食器棚などの開き戸を邪魔することもありません。またダウンライトと同じくらいのサイズの小型シーリングもありますので「ダウンライトにしたいけれど天井に埋め込めない」という場合は、ダウンライト代わりとしても使用できます。
ペンダントライト
ペンダントライトはその名のとおりペンダントのような形の照明で、コードやチェーンを使って天井から吊られている照明器具です。レストランやカフェのようにおしゃれな空間作りができます。
その他のライトよりは下の位置に明かりが来ることになるため、キッチン全体を照らすことはできません。特定の場所だけを照らすのに適しています。ペンダントライトだけでキッチンに必要な明かりを確保するのは難しいため、ほかの照明と組み合わせるのがおすすめです。
ただし照明器具が低い位置に来てしまうため、コンロなど火を使う場所の近くには設置しないようにしてください。カウンターキッチンなどで、テーブル部分を照らすインテリアとして人気があります。
スポットライト
一部分を限定的に照らせるのがスポットライトです。部分的に照らすことになるため、スポットライト一つでキッチン全体を照らすことはできません。
スポットライトをつける場合はダクトレールを取り付けて、いくつか照明をつける必要があります。ダクトレールは電気工事を行って取り付けるのが一般的でしたが、近年は引掛シーリングに取り付けられるダクトレールも登場しているため、自分でも簡単に設置できるようになりました。
スポットライトを複数つけると、作業が必要な場所だけにしっかりと明かりが届けられます。カウンターキッチンならテーブルを照らすようにスポットライトを設置すると、料理にピンポイントが当たって、よりおいしそうに見えるのが特徴です。スタイリッシュなレストランのような空間作りができます。
スポットライトを設置する場合は、アイランドキッチンやペニンシュラキッチンのように、空間を遮らないキッチンタイプがおすすめです。
2. キッチンタイプで選ぶ
キッチンといってもいくつかの形があります。照明選びをするときは、キッチンタイプをベースにして選ぶのもおすすめです。キッチンタイプに合わせたレイアウトを考えてみましょう。
以下の4つのキッチンタイプの特徴やおすすめの照明を紹介します。
- アイランドキッチン
- ペニンシュラキッチン
- L型キッチン
- I型キッチン
アイランドキッチン
アイランドキッチンは、キッチンスペースの四方が壁に接していないタイプのキッチンです。ダイニングやリビングとキッチンを遮るものがないため、部屋の空間もキッチンを照らす明かりとなります。
キッチンスペース全体の明かりを部屋の明かりで補えるため、ダウンライトやスポットライト、ペンダントライトで部分的に作業場所を照らす照明が選びやすいです。キッチンもダイニングやリビングと一続きの空間として照明をレイアウトできます。
ペニンシュラキッチン
ペニンシュラキッチンは、四方のうち左右どちらかが壁に面しているタイプのキッチンです。アイランドキッチンと同じように、ダイニングやリビングの照明がキッチンにもしっかり届きます。
そのためペニンシュラキッチンもダウンライトやペンダントライト、スポットライトなど部分的に照らす照明が選びやすいのが特徴です。また効率的に全体を照らしたいなら、ベースライトも向いているタイプのキッチンといえるでしょう。
L型キッチン
シンクとコンロがL字にレイアウトされているタイプです。キッチンのすべてが壁に接しているタイプと、一方だけが壁に面していて、面していないほうがカウンターキッチンになっているタイプがあります。
この場合、シンクかコンロのどちらかは必ず壁に面しているためダウンライトやベースライト、シーリングライトを使ってキッチン全体を照らす明かりを確保しなければなりません。一部がカウンターキッチンになっているのなら、その場所にだけペンダントライトやスポットライトを取り入れるという方法もあります。
I型キッチン
I型キッチンはキッチンが壁に面していて、シンクとコンロが一直線に並んでいるレイアウトです。シンプルなシステムキッチンに多い形で、一人暮らしの賃貸物件などはこの形になっていることが多いでしょう。
シンクもコンロも壁に面しているため、しっかりと明かりを確保する必要があります。そのためダウンライト、ベースライト、シーリングライトのいずれかがおすすめです。
3. 色の種類で選ぶ
電球は大きく分けて4種類の電球色があります。電球の色で空間の雰囲気が大きく変わるため、照明の種類とあわせて押さえておきたいポイントです。色温度はケルビン(K)という単位で表されます。
電球色
温かみがあって落ち着いた雰囲気を作れるのが電球色です。オレンジ色に近い色をしていて、色温度は約3000Kとされています。ゆっくりくつろぐ空間に人気の色で、寝室やリビングに使われることが多いです。
またペンダントライトのようにインテリアとしての側面を持つ照明にも使われます。北欧風のテイストやカフェのようなキッチンにおすすめです。
温白色
電球色と昼白色の中間色で、オレンジと白の間のような色をしているのが温白色です。ふんわりと優しい雰囲気が作れるため、ナチュラルテイストのキッチンに合います。キッチン以外の場所では、ダイニングやリビングの色として人気があります。色温度は約3500Kです。
昼白色
太陽の光と近い色味なのが昼白色です。キッチン全体を照らす明かりとして最適な色味です。作業する手元を明るく照らせるため、キッチンの照明には適しています。またどのテイストのキッチン、空間とも相性が良い万能な電球色です。キッチン以外では洗面台やメイクスペースによく使われます。色温度は5000Kです。
昼光色
寒色よりの白い色味なのが昼光色です。手元をはっきりと照らせるため、細かい作業をするのに適しています。ステンレス素材やモノトーンのキッチンなど、クールでスタイリッシュな空間にしたい場合におすすめです。お子さんがリビングやダイニングで勉強する場合は、昼光色を選ぶと良いでしょう。色温度は6500Kとなっています。
調色タイプを選ぶのもおすすめ
雰囲気は作りたいけれど、作業している間は手元をはっきり照らしたいという方は、調光タイプの電球を選ぶのもひとつの方法です。調色タイプとは、リモコンなどによって電球色を切り替えられる電球を指しています。たとえば、電球色と昼白色に切り替えることが可能です。
調色タイプならシチュエーションに合わせて、さまざまな電球色を楽しめます。また調光機能もついている電球なら、電球の明るさも自由に変えることも可能です。
昼と夜で違った使い方ができますし、料理中は明かりを強くして、食事中や来客中は明かりを弱めて雰囲気を作るなど、いろいろな楽しみ方ができます。スマートフォンと接続できるものも出ていますので、使い勝手と雰囲気を両立させたい方は、検討してみるとよいでしょう。生活時間によって自動で色を切り替えてくれるタイプのものもあります。
4. メンテナンスのしやすさで選ぶ
近年はLED電球が一般的なため、頻繁に電球が切れてしまうことはありません。数年程度で電気がつかなくなってしまった場合は、照明器具の故障が一般的です。引掛シーリングを使用する照明の場合は、照明器具を買い替えれば簡単に交換ができます。しかしダウンライトの場合は、電気工事士に修理を依頼しなければなりません。
また引掛シーリングを使う照明器具の場合は、気分に合わせて照明を簡単に変えられます。天井に穴が開いているダウンライトは簡単に照明を変えられないため、その点も考慮しておきましょう。
キッチン照明は照明の種類・キッチンタイプ・電球色から考えよう
キッチン照明は作業のしやすさを第一に考えつつ、家のテイストと合わせた照明を選ぶことが大切です。キッチンの広さやキッチンタイプによって最適な照明が変わってくるためそれを踏まえたうえで選ぶようにしましょう。またどのような雰囲気にしたいかで電球の色を選ぶことも大切です。
今回紹介したポイントやキッチンに必要な明るさを考慮して、ご自宅のキッチンにぴったりな照明を選んでみてください。
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